【徹底解説】弥生の会社設立サービスを使うデメリットと利用前に知るべき注意点

1. 知っておくべき弥生の会社設立サービスのデメリット

弥生のかんたん会社設立は、案内に沿って入力するだけで設立書類を自動生成できる便利なツールですが、事業設計の柔軟性や外部サービスとの連携面において事前の確認が必要なデメリットが存在します。

1.1 事業目的のテンプレートが他社より少なく自由度が低い

会社を設立する際は、定款や登記簿謄本に記載する「事業目的」を明確に定める必要があります。

弥生の会社設立サービスにも業種別の事業目的テンプレートが用意されていますが、先行する他社サービスと比較すると選択肢や収録パターンが基本的な業種に限定されている傾向があります。

IT分野の細分化された事業モデルや複数の業種を掛け合わせた複合ビジネスを展開する場合、用意された選択肢だけでは網羅しきれません。

不足する事業目的は利用者が自身で文言を考えて手動追記・編集する必要があり、法務局での登記審査で補正対象にならない表現かどうかを自力で確認する工数が発生します。

1.2 Mac専用アプリがなくブラウザ版のみの操作になる

弥生会計などの基幹ソフトにはWindows向けの専用デスクトップアプリが存在しますが、会社設立手続きに関してはクラウド型のWebブラウザ版のみで提供されています。

Mac環境でもGoogle ChromeやSafariなどのブラウザ経由で書類作成を進めることは可能ですが、専用のデスクトップアプリケーションが用意されていないため作業は常にオンライン環境に依存します。

項目弥生のかんたん会社設立一般的な専用アプリ型ツール
提供形態クラウド(Webブラウザ操作)インストール型デスクトップアプリ / クラウド
Mac対応ブラウザ利用のみ対応Macネイティブアプリ提供あり、またはブラウザ
オフライン作業不可(常時通信が必要)一部ソフトで下書き・保存が可能

通信環境が不安定な場所では入力データの保存が滞る可能性があり、普段デスクトップアプリで素早いショートカット操作を行っているユーザーにとっては、ブラウザ特有の画面遷移や再読み込みに不便さを感じる場合があります。

1.3 法人の銀行口座開設や法人クレジットカードの提携先が限られる

会社設立の直後には、資本金の移動や経費決済のために法人口座の開設および法人クレジットカードの発行が必須となります。

競合の会社設立プラットフォームでは、メガバンクから複数の主要ネット銀行、多様なビジネスカード会社と広範に提携し、書類作成と同時に一括審査申込を行える仕組みが整っています。

一方、弥生の起業支援窓口経由で同時に申込手続きを進められる提携金融機関やカード会社は、他社の会社設立ポータルに比べて提携先の選択肢が絞られているのが現状です。

希望する銀行やカードが連携対象に含まれていない場合、法人登記の完了後に各社の公式サイトへ個別にアクセスし、必要書類を一から揃えて別途審査を申し込まなければなりません。

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2. 弥生のかんたん会社設立に潜む落とし穴と利用前の注意点

弥生のかんたん会社設立は、フォームの案内に沿って入力するだけで登記関連書類を作成できるサービスです。

しかし、「完全無料で手間なく設立できる」と思い込んで手続きを進めると、想定外の出費やスケジュール遅延といったトラブルにつながる場合があります。

サービスを利用する前に確認しておくべき3つの注意点を解説します。

2.1 無料なのは書類作成のみで法務局の登録免許税などは別途必要

弥生のかんたん会社設立のシステム利用料や書類作成費用は0円ですが、会社設立時に国や公証役場へ納付する法定費用は別途自己負担となります。

会社設立手続きそのものがすべて0円で完了するわけではありません。

紙の定款を作成する場合は収入印紙代(4万円)がかかりますが、本サービスで電子定款を利用すれば印紙代を0円に抑えられます。

ただし、公証役場での定款認証手数料や法務局へ納める登録免許税は法律で定められた実費として必ず発生します。

また、電子定款の作成代行手数料(5,500円・税込)については、条件を満たさない場合に自己負担となる点も留意が必要です。

費用項目株式会社(電子定款)合同会社(電子定款)備考
サービス利用料・書類作成0円0円弥生のかんたん会社設立の基本機能
定款用収入印紙代0円(電子定款のため)0円(電子定款のため)紙の定款の場合は40,000円が必要
定款認証手数料約30,000円〜50,000円不要(0円)資本金額により変動(公証役場へ支払い)
登録免許税150,000円(※)60,000円法務局へ納付(※資本金の0.7%が上回る場合はその金額)
最低限必要な実費合計約180,000円〜200,000円約60,000円登記簿謄本代や印鑑証明書代が別途数百円発生

会社設立費用の詳細や条件については、弥生株式会社の公式ページにて事前に内訳を確認したうえで資金を準備してください。

2.2 会社設立後のバックオフィス業務連携における制限

弥生のかんたん会社設立で入力した基本情報は、同社が提供するクラウド会計ソフト「弥生会計 Next」やクラウド請求書作成ソフト「Misoca」への連携を想定して設計されています。

そのため、設立後に他社製の人事労務ソフトやクラウドERPを中心に運用したい場合はデータ連携に制限が生じる点に注意が必要です。

設立完了後には、年金事務所や労働基準監督署への社会保険・雇用保険の新規適用届出、日々の給与計算や経費精算など、複数のバックオフィス業務が発生します。

弥生シリーズ以外の他社ツールを利用する場合、会社情報や役員情報を手動で再入力する手間が発生し、業務フローの分断を招く原因となります。

設立後の運用ツールをどのメーカーで統一するかは、設立書類の作成前に決めておく必要があります。

2.3 電話サポートがなく困ったときの問い合わせ対応に時間がかかる場合がある

弥生のかんたん会社設立では、手続きに関する専用の電話問い合わせ窓口が用意されていません。

書類の作成方法や入力項目で迷った際のサポートは、Web上の専用フォームからの問い合わせやチャット対応が中心となるため即時解決が難しい場合があります。

特に「希望の設立日(登記申請日)が直前に迫っている」「定款に記載する事業目的の文言や資本金の払込手順で判断がつかない」といった緊急のケースでは、返信を待つタイムラグがスケジュールの遅延につながるリスクがあります。

法務局への申請期日に厳密な期限がある場合は、疑問点を早めに洗い出して問い合わせるか、不明点を管轄の法務局や公証役場へ直接相談しながら進める段取りが求められます。

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3. 競合サービスと比較してわかる弥生会社設立のデメリットと強み

会社設立の書類作成サービスを選ぶ際は、業界で利用者の多い「freee会社設立」や「マネーフォワード クラウド会社設立」との機能差を把握することが大切です。

各サービスで書類作成自体は無料で行えますが、操作フローや設立後のシステム連携に明確な違いがあります。

比較項目弥生のかんたん会社設立freee会社設立マネーフォワード クラウド会社設立
操作画面の設計一覧フォーム中心のシンプルなWeb画面対話形式のステップナビゲーション(アプリ対応)ガイド付きのステップ入力フォーム
電子定款の費用提携専門家の代行で無料5,000円(会計ソフト年額契約等で実質無料)5,000円(会計ソフト契約等で実質無料)
オンライン申請対応法人設立ワンストップサービス等を利用マイナンバーカードとアプリで完結可能法人設立ワンストップサービス等を利用
連携先会計ソフト弥生会計 オンライン/弥生会計(デスクトップ)freee会計マネーフォワード クラウド会計

3.1 freeeやマネーフォワードと比較した操作性の違い

入力画面のユーザーインターフェースにおいて、freee会社設立やマネーフォワード クラウド会社設立は、設問に答えるだけで進むウィザード形式を採用しており、画面の指示に従うだけで迷わず入力できる工夫が施されています。

特にfreeeはスマートフォンアプリからの入力やマイナンバーカードを用いた電子署名に対応しており、スマートフォンだけで登記書類の作成から申請手続きまで完結させやすい操作環境を整えています。

対する「弥生のかんたん会社設立」は、ブラウザ上の入力フォームに必要事項を直接入力していく実務的な画面設計です。

入力項目が整理されている反面、細かなガイド表示や入力補助の演出は最小限にとどまるため、登記手続きに不慣れな初心者にとっては「どの項目をどう選べばよいか」を自分で判断しなければならない場面が多くなります。

また、登記申請の手順においても違いがあります。

freeeは自社システム内でオンライン登記申請までシームレスに進められる導線を提供していますが、弥生は作成した書類を印刷して法務局へ提出するか、国の「法人設立ワンストップサービス」を外部連携して利用する形式です。

登記申請の手続きを単一のWebサービス上で完結させたい人にとって、弥生の操作フローは手作業が残りやすい点がデメリットといえます。

3.2 設立後の会計ソフト移行しやすさの違い

会社設立サービスを利用する最大の利点のひとつは、設立時に入力した会社名・所在地・役員構成・決算期などの基本情報を、そのまま会計ソフトへ引き継げる点にあります。

freee会社設立は「freee会計」、マネーフォワード クラウド会社設立は「マネーフォワード クラウド会計」にワンクリックで情報が反映され、設立完了直後からクラウド上での記帳や請求書発行を開始できます。

クラウドネイティブなバックオフィス構築を前提としている場合、これらの競合サービスは初期設定の手間を大幅に削減できます。

一方、弥生のかんたん会社設立では、入力データが「弥生会計 オンライン」やインストール型の「弥生会計」へと連携されます。

弥生シリーズは国内の税理士事務所で広く普及しているため、顧問税理士と同じ弥生形式でデータ共有を行いたい場合には移行が非常にスムーズという強みがあります。

また、設立直後の法人向けに提供される初年度無償キャンペーンを活用することで、初期のランニングコストを抑えやすい点も魅力です。

しかし、設立後にfreeeやマネーフォワードなどの他社クラウド会計ソフトを使いたい場合は、弥生で作成した会社情報を直接移行できません。

その場合は他社ソフト側で会社情報や勘定科目を手動で再設定する必要があるため、設立後に弥生以外の会計ソフトを使う予定がある場合はデータ連携のメリットを得られない点に留意する必要があります。

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4. 弥生での会社設立をおすすめする人・おすすめしない人

会社設立サービスは各社で強みや仕様が異なるため、自社の設立要件や設立後の運用体制に合わせて選ぶ必要があります。

弥生が提供する弥生のかんたん会社設立が適している人と、他社サービスの検討が推奨される人の特徴は以下の通りです。

区分当てはまる人の特徴主な判断基準
おすすめする人・すでに弥生シリーズを利用している
・税理士から弥生会計の指定を受けている
・書類作成の費用を0円に抑えたい
設立後の会計ソフト移行のスムーズさとコストパフォーマンスを最優先する場合
おすすめしない人・事業目的を自由記述で細かく指定したい
・法人口座や法人カードを同時に一括開設したい
・Mac環境のみで完全オンライン完結させたい
登記手続きから関連サービスの契約まで完全な自動化・連携を求める場合

4.1 弥生会計をすでに利用しているまたは導入予定の人にはおすすめ

個人事業主として「やよいの青色申告」などを利用してきた人や、設立後に「弥生会計」を導入する予定の人には、弥生での会社設立が適しています。

会社設立時に入力した基本情報や役員情報が弥生の共通IDに紐づくため、法人設立後の会計ソフト初期設定やデータ移行にかかる手間を大幅に削減できるからです。

また、日本国内の税理士事務所において弥生会計は高いシェアを持っています。

顧問税理士とのデータ共有を前提としており、指定された会計ソフトが弥生である場合は、設立段階から同社サービスを使っておくことで、設立初年度の決算・申告業務の連携が円滑に進みます。

サービス利用料自体も完全無料のため、初期コストを極力かけずに法人化したい事業者にとって合理的な選択肢となります。

4.2 設立手続きの完全自動化を求める人には不向き

設立書類の作成だけでなく、登記後のバックオフィス構築までを一気通貫で自動化したい人には不向きな側面があります。

他社サービスでは、定款作成の流れの中で多数のネット銀行や法人クレジットカードへの同時申し込みがシームレスに組み込まれている場合がありますが、弥生は提携先の選択肢が限られており、設立後に個別で手続きを行う場面が生じます。

さらに、事業目的の選択肢が標準的なテンプレート中心に構成されているため、特殊な事業モデルに合わせて独自の文言を自由に追加・編集したい場合は柔軟性に欠けます。

電子署名を用いたオンライン申請においても、利用環境によってはWindows端末や周辺機器の準備が前提となるケースがあるため、Mac環境のみでの操作や事業目的の自由なカスタマイズを求める人は他社ツールの併用も視野に入れる必要があります。

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5. 弥生の会社設立サービスを活用してスムーズに法人登記する流れ

弥生のかんたん会社設立を利用すると、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで、専門知識がなくても法人登記に必要な一連の書類を作成できます。

全体の流れを把握しておくことで、書類の不備や手続きの停滞を防ぎ、最短日数での会社設立が可能になります。

5.1 定款用フォームの入力と専門家への確認依頼

まずはアカウント登録を行い、画面の入力フォームに従って会社の基本情報を登録します。

入力する主な項目は以下のとおりです。

  • 会社名(商号)および本店所在地
  • 事業目的
  • 資本金の額および発行可能株式総数
  • 発起人(出資者)および役員の氏名・住所
  • 事業年度(決算月)

紙の定款を作成する場合は4万円の収入印紙代が必要ですが、弥生のサービスを利用して電子定款を選択すれば印紙税4万円を削減できます。

フォーム入力完了後、作成された定款データを提携の専門家(行政書士等)へシステム上から確認依頼します。

専門家による内容確認と電子署名が付与された後、株式会社の場合は公証役場で定款認証の手続きを行います(合同会社の場合は公証役場の認証手続きは不要です)。

5.2 資本金払込証明書の作成と登記書類の印刷

定款の認証完了後(合同会社は定款確定後)、資本金の払い込みを実施します。

会社設立前は法人口座が存在しないため、発起人代表の個人口座へ各出資者が資本金を振り込みます。

既存の口座残高を充てる場合でも、誰がいくら出資したかを証明するために預け入れではなく振込の履歴を残す必要があります。

振込完了後、以下の手順で資本金払込証明書を作成します。

  • 通帳の表紙、表紙裏の口座情報ページ、資本金の振込明細が記載されたページのコピーを取る(ネット銀行の場合は該当画面を印刷)
  • 弥生の管理画面から出力した「払込証明書」の用紙を用意する
  • 払込証明書を通帳コピーの先頭にして重ねて左側をホチキス留めし、ページの見開き部分に会社実印(代表者印)で契印を押す

あわせて、弥生のシステムからダウンロードした登記申請書、就任承諾書、発起人決定書、印鑑届出書などの一式を印刷し、所定の箇所へ会社実印や個人の実印を押印します。

5.3 管轄の法務局への登記申請と完了後の届出

書類の準備が整ったら、本店所在地を管轄する法務局へ設立登記を申請します。申請方法には「法務局窓口への持参」「郵送」「オンライン申請」があります。

法務局へ書類を提出した日(受理された日)が会社の設立日となります。

申請時には登録免許税(株式会社は15万円〜、合同会社は6万円〜)を収入印紙などで納付します。

申請から1〜2週間程度で登記が完了したら、法務局で「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」と「印鑑証明書」を取得し、関係各所へ法人設立の届出を行います。

主な提出先と書類は下表のとおりです。

提出先主な届出書類提出期限の目安
管轄の税務署法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書設立から2か月以内(青色申告は3か月以内または初年度終了日の前日のいずれか早い方)
都道府県税事務所・市区町村役場法人設立届出書(地方税用)自治体により異なる(設立から15日〜1か月以内)
年金事務所健康保険・厚生年金保険 新規適用届、被保険者資格取得届事実発生から5日以内
労働基準監督署・ハローワーク労働保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届(従業員を雇用する場合)雇用後10日〜17日以内

これらの届出を期日内に完了させることで、法人の銀行口座開設や税務・社会保険の各種手続きへ滞りなく進めることができます。

 

起業マニュアル

この記事を読むことで、会社設立の手順を体系的に理解し、スムーズに起業の道を進むための主要なステップと重要なポイントを把握…

6. まとめ

弥生のかんたん会社設立は、書類作成を無料で進められる利点がある一方、事業目的テンプレートの少なさや電話サポートの非対応、Mac専用アプリがない点などのデメリットが存在します。

また、法人口座やクレジットカードの提携先も限定的です。

そのため、手続きの完全自動化や手厚いサポートを重視する方には不向きですが、設立後に弥生会計を導入する方には適した選択肢となります。

他社サービスの特徴と比較し、設立後のバックオフィス業務まで見据えて利用を判断してください。

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